NASCARのRichard Childress Racingがクラウドにスピードを求める必要性

Richard Childress Racing(RCR)のSeth Morris、Aerodynamicist(空気力学担当)による寄稿

ストックカーレースの世界では、ほんの小さな優位点を見つけることが勝敗に影響します。

このことが、Richard Childress Racing(RCR)が、自身でレースカーの設計から組み立てまでをエンドツーエンドで行う理由です。私たちは、独自のシャーシとサスペンションのコンポーネントをエンジニアリングし、加工し、私たち自身のボディを設計・製造し、独自のエンジンを製造しテストします。要するに、RCRでは、すべてがを一から構築します。

Cup Shop Floor 2014

おそらくそれが私たちの48年の歴史の中で成功した理由です。私たちのオーナー、Richard ChildressがNASCARのレーサーとしてスタートした1969年にさかのぼります。それ以来、私たちは17回のチャンピオンシップと200回のレースで優勝し、NASCARトップツアーシリーズの3つすべてで勝利した最初のチームになりました。 Richardと、伝説に残るドライバーDale Earnhardtとのパートナーシップにより、RCRは1986年から1994年までの期間に6回のCup Seriesのチャンピオンシップを誇るエリート組織となりました。

現在、RCRには、機械設計、空力学、シミュレーション、戦略、研究開発など、50以上のエンジニアリングスタッフを擁して、500人以上の従業員、40エーカーのキャンパス、8つのフルタイムレースチームがあります。エアロダイナミクスのチームは6名のエンジニアと風洞でのテストのためのコンポーネントの製作をの4名の担当者で構成されています。これらの6人のエンジニアのうちの3人は、計算流体力学(CFD)を使用して車の空力特性をシミュレートすることに専念しています。

Testing Cup Shop Floor

過去12年間、RCRはCFD(数値流体力学)にかなりの時間とリソースを投入しました。 CFDチームの主な目標は、車体の空力システムへの理解をさらに深め、新しい空力概念を評価し、風洞チームがテストする設計変更を推奨し、風洞でモデル化されていなくてもおそらくコース上ではそれを証明できる現象を分析することです。 私自身はRCRの空気力学担当者として、市販のCFDコードANSYS Fluentを使用して、車の空力特性を調べています。

CFDは計算量の多いプロセスで、私たちは、シミュレーション要件をサポートするためのハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)インフラストラクチャーと、それをサポートする専門家を有していますが、リソースは限られています。 RCRが有しているのは、主にプレおよびポスト処理のCFDモデルに使用される64コアのオンプレミスハードウェアだけです。この制約のため、私たちのチームはCFDのすべてのアウトソーシングを決定しました。我々はコース上での車体の速度に影響を与える複雑な流れの詳細を正確に理解するのに十分高い分解能でより大きなモデルを構築する能力を増強したいと考えました。

RCR Summit

15 May 2008 – RCR Summit in Welcome NC. (Photo/Harold Hinson)

Rescale™ソリューション

ボディ全体の空力解析では、150〜400億個セルというかなり大きなモデルが必要です。これは、おおよそ求める時間内に処理するために数千のコアを必要とします。 HPCを社内に構築することは、ITインフラストラクチャーと設備投資の関係で手の届かないものでした。さらに、ハードウェアが高価になりすぎてしまっていることと、RCRにはHPCのセットアップと管理の専門知識がなく、ハードウェアサイクルが非常に速くなっているため、投資を終えた頃には既に時代遅れになっていました。 RCRは他のクラウドオプションも検討しましたが、Rescaleのハードウェアとそのプライスは、スモールスタートから始められてフルプロダクションまで規模を拡大できるため、私たちのニーズに合っていると感じました。

RCRが過去1年間、ボディー全体のエアロダイナミック・シミュレーションに使用しているANSYS Fluentは、ScaleX™プラットフォーム上にネイティブに統合され、ベンチマークされ、チューニング/最適化されています。 Rescaleでは、512コア以上のジョブを簡単に実行でき、10時間で完了します。クラウド上の豊富なハードウェアにアクセスできるため、より複雑なシミュレーションを大量に実行することができます。さらに、迅速さが重要なこの業界では、待ち行列で待たされることなく即座にジョブを実行できるというメリットがあります。シミュレーションを高速化するだけでなく、設計変更や “仮想”シナリオのデバッグや実行を素早く行うことができます。これらの競争上の利点は、私のチームの成功にとって非常に重要です。

Rescaleを使用して設計空間を簡単かつ効率的に探索することが自由にできるようになりました。この成功を踏まえて、RCRはより高い生産性を目指しています。 RCRは、シミュレーションのスループットを高め、プロセスを合理化するために、Rescaleを使用してより多くのシミュレーションを自動化する予定です。生産レベルでは、無制限のCFD能力の追加はゲームの変化につながります。これにより、ラップタイムを最適化するために、各サーキットのルールや規制に応じて、ボディーデザインの空気抵抗とダウンフォースを調整することができます。何千ものコアを必要とする先進的で高解像度のCFDは、レースカーの複雑な空力特性を理解するのに非常に有用です。それはシステムとして動作し、毎週変化する制約に対応する異なるボディーデザインを迅速に導入し、最適化する柔軟性を私たちに与えることになります。

我々はRescaleによってHPCにオンデマンドでアクセスすることで、競争力を高めることができました。それは、最終的にレースでのより多くの勝利につながります。

This article was written by Rescale Japan.